作品タイトル   作者名   出版社

「銀河英雄伝説」   田中芳樹

  (徳間文庫 全10巻+外伝4巻)
作品ジャンル(管理人の独断で決定)
 本格的SFスペースオペラ
あらすじ
 これは現在の地球から、かなり経った未来の話です。その宇宙は銀河帝国・銀河惑星同盟・商業惑星フェザーンの3つの勢力が、微妙なバランスで、成立していました。しかし、銀河帝国の小貴族の家に生まれた少年ラインハルトが、姉が皇帝の寵妃にさせられてしまったのを、取り戻そうと、出世を重ねてゆくうちに、どんどん野望が大きくなってゆき、今ある政権を倒して、新しいもっと良い国を作ろうとします。そして、いつか宇宙全土を手にしようと、帝国のみならず、同盟や、フェザーンまでも脅かし始めます。しかしその野望の前に立ちはだかったのが、同盟の名軍師ヤン・ウェンリーでした。今まで負け知らずだった、ラインハルトに勝てはしないまでも、屈辱を味わわせることになります。しかし、全く性格も、外見も異なる二人はお互いをライバルとして認め合い、一歩も譲らないのでした。
おすすめポイント
 たくさんのものを失いながらも宇宙を手にいれるという野望を捨てられない、ラインハルトは、結局何を手にするのか。そしてその前に立ち向かうヤンは、圧倒的に少ない戦力で、勝利を得ることが出来るのか。そんな二人の生きざまも魅力の一つですが、SFというよりも軍記物に近いこの小説の本来の魅力は、国の栄枯盛衰、歴史を見つめることにある、と思います。人が生まれて死ぬように、国もいつか滅びる、それを滅ぼそうとする人々と、阻止しようとする人々の戦いの歴史でもあるのです。
心に残ったこの一言
   「人は自分だけの星をつかむべきなんだ。
     たとえそれがどのような星であっても 」
        ――ヤン・ウェンリー
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