作品タイトル   作者名   出版社

「夢やしきへようこそ」   さちみりほ

  (秋田書店/プリンセス 1〜12巻 以下続刊)  
作品ジャンル(管理人の独断で決定)
 ほのぼの人情物語(あるいはマンガ日本昔話オバケつき)
あらすじ
 これは少し昔のお話。「夢やしき」は、お化けを見せて日本中を周っている、旅芸人の一座なのですが、実はそのお化けたちはみんな本物。お化けやしきの作り物ではなく、正真正銘の「お化け」なのです。人間が山を切り開き、都会化していくうちに、お化けたちの住む場所がどんどんなくなってゆきます。居場所のないお化けたちはひっそりと肩を寄せ合って「夢やしき」に暮らしているのです。
 そして一座は、ある日一人の人間の赤ん坊を拾います。その赤ん坊、勇太が大きくなって、一座の仲間たちと共に楽しく旅をし、たくさんの人間達と関わって、いろいろな出来事が起こっていくのですが、それでもお化けたちは人間が大好きなのでした。
おすすめポイント
 「夢やしき」のお化けたちは、長い間旅をしながら、人間たちの笑いや涙を見つづけていくのですが、そのほのぼのしたストーリーとは別に、一座を束ねる兄さんの過去の話が、あります。実はこちらがメインストーリーと言っても良いかもしれません。穏やかな微笑みを浮かべた美しい兄さんは、かつて「那智王」と呼ばれた残忍な鬼の頭領だったのです。人間を殺すことなど、なんとも思っていなかった兄さんが、なぜ「夢やしき」の座長になっているのか、他の鬼たちはいったいどうなったのか。最初は謎ばかりですが、それが次第に明らかになっていきます。
 人情味あふれるあたたかなストーリーに、笑い、涙し、感動して下さい。おまけコーナーもあってお買い得。
心に残ったこの一言
 「そや、でっかい山やで。富士山くらいの。
           絶対やで、兄さん」 ――勇太 (1巻P33)
こちらもおすすめ!
 「シリーズ”斎”」
 (秋田書店/プリンセス 1〜3巻 以下続刊)
 学校のことなど何も知らない不思議な転校生、が寂しい人や傷ついた人を救ってゆくストーリー。こちらもほのぼの心温まる話ばかりです。

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