作品タイトル   作者名   出版社

「イティハーサ」   水樹和佳子

 (集英社/ぶーけ 全15巻)
   (早川書房/文庫 全7巻)
作品ジャンル(管理人の独断で決定)
 古代歴史ロマン+ファンタジー風
あらすじ
 目に見えぬ神々を信奉する部族の鷹野はある日、川で赤ん坊を拾います。トオコと名付けられたその子は鷹野の妹として、彼が育てることになります。まだ自分自身も幼い鷹野ですが、一生懸命にトオコを一人前にしようとするのですが、平和で穏やかだった村は、目に見える神、銀角神鬼幽の手によって、全滅させられてしまいます。目に見えぬ神を信奉する民は、「真言告」という呪文のようなものでケガを治したり、重いものを持ち上げたり、いろいろなことが出来るのですが、戦うことを好まず、 武力を持たないため、簡単に倒されてしまったのです。そして生き残った鷹野、トオコ、青比古は目に見える神、亞神に仕える民と出会います。彼らによれば「亞神」は善なる神であり、反対に「威神」という悪神がいるのだ、と言われます。しかし亞神を信奉する民も、武器を持ち、威神に武力で立ち向かっています。鷹野達は亞神を完全には信じることが出来ません。そうやって人を傷つけ、命を奪うことは、結局やっていることはおなじではないか、と思えるからです。しかしそれでも目に見える神に使える人々との生活が始まってゆくのでした。
おすすめポイント
 神とは何か、そして、善と悪とは何か、人間の心には善もあるし、悪もあるのではないか、といろいろなことを考えさせられる、壮大で奥の深いストーリーです。SFのようでもあり、ファンタジーのようでもあり、そしてある意味では歴史ものでもあり、いやいやラブロマンスでしょう、といっても良いかもしれなくて、とにかくありとあらゆる要素が入っているのかもしれませんね。
 でも、そんな堅苦しいことを考えず、ただ鷹野とトオコに次から次へと訪れる出来事を、どきどきハラハラしながら追いかけていくだけでも、十分面白いでしょう。美しく、丁寧に描かれた絵に、美男美女がいっぱいで、きっとうっとりしますよ。
心に残ったこの一言
  「おまえの前にいる男は、決して女を幸せにはできぬ男だ」 
      ――青比古(3巻P60)
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 「特になし」

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