作品タイトル   作者名   出版社

「辺境警備」   紫堂恭子

     (角川書店/あすか 全6巻)
作品ジャンル(管理人の独断で決定)
 本格的ファンタジー+ほのぼの
あらすじ
 女性と見まごうほどに美しい神官さんが辺境地帯に勤務することになったことからお話は始まります。彼は神官ですから、神の教えを説くことが目的ですが、お酒を飲んで豹変したり、辺境に配備されてやさぐれている隊長さんをいびったりもします。辺境の地は平和でのんびりしており、神官さんも穏やかな日々を過ごしていたのですが…。
 ある日、辞令が来て、彼は逃げるように去ってきた都に戻らなくてはならなくなります。そのため辛い過去に向き会うことになりますが、それを乗り越えようと立ち向かっていくのでした。彼の周りの人々はいつでも彼をやさしく見守り、時には手助けをし、心の支えになります。ラストシーンは感動して泣けますが、それ以上に隊長さんの若い頃の美しさと、現在の落差には、涙を抑えきれません(笑)
おすすめポイント
 この人の作品は、どれも繊細で美しい絵が特長です。しかも主人公たちは、かなり暗い運命を背負っていたり、つらい過去があったりしますが、それに一生懸命立ち向かって行く強さを持っています。それは一見、絵では繊細で、弱々しそうな美形であっても、です。そのため、ストーリーも暗く、重々しいものになりがちですが、そう感じさせないのは、その絵の美しさだけではなく、登場人物が心から暗く、絶望してはいないからでしょう。根っから明るい「兵隊さん」や「隊長さん」のような特殊な人々もいますが…。他の作品もみんな、心の温まる、しかし何かを考えさせてくれる、いいストーリーばかりです。優しく、美しいだけではないんです。
心に残ったこの一言
  「なぜ人は望むように幸せになれないのでしょう…」
      ――ジェニアス・ローサイ (3巻P146)
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 「癒しの葉」
  (角川書店/あすかDX 全8巻)
 聖者の護衛として各国から代表がそれぞれ送られることに。「癒しの葉」「影の民(エレメンタル)」とはいったい…?こちらもほのぼのしているようで、実はかなりシリアスな面もあり、奥が深い作品です。

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