作品タイトル 作者名 出版社
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「百鬼夜行抄」 今市子 (朝日ソノラマ/眠れぬ夜の奇妙な話コミックス 1〜10巻以下続刊)
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作品ジャンル(管理人の独断で決定)
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オカルトホラーミステリー(なんじゃそら)あるいはほのぼの妖怪物語 |
あらすじ
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飯嶋律は、ごく普通の高校生なのですが、なぜか彼の周りには奇妙な事件が起こります。怪奇幻想小説家だった祖父・蝸牛から霊感を受け継いでいるせいで、妖怪たちが集まってくるのです。それでも律はほとんど普通の人間と変わらない程度の能力しか持っていません。とりあえず乏しい知識の中から対処してみて、ダメだったら逃げる、そんなレベルなんです。 そしてそんな律を護っているのが妖怪の青嵐。祖父の言いつけにより、律の亡くなった父親の身体に入って、『お父さん』として生活しています。律の命が危なくなる瀬戸際には助けてくれますが、そこまでは知らんぷり。他にはカラス天狗の尾白・尾黒を使役することが出来ますが、大して力のない妖魔なので、昼間は『話の出来る鳥』に過ぎません。役立たず。 そんな訳で、かっこよく呪文を唱えて妖怪退治をするような話ではありません。いつもバタバタあたふたしているうちに、何となく解決するという感じです。でもそこがイイんですよ。律のドタバタぶりをお楽しみください。 |
おすすめポイント
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一見すると昭和初期(?)のようなレトロな雰囲気を漂わせている作品ですが、実は現代の話だったりします(笑)。しかしどう見てもイマドキの青年ではない律くん。彼を取り巻くのは霊感のあるイトコたちや、物の怪や幽霊だったり。とにかく半分以上は「向こう」の世界に足を突っ込んでしまっている彼なのでした。本人としては不本意でしょうし、きっと穏やかにごく普通の生活をしていきたいと望んでいるのでしょうが、周囲がそれを許してくれないのです。それでも必死に日常を守ろうとあがく様も見ていて楽しいところですね(人が悪い…)。 |
心に残ったこの一言
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「しかし考えてみれば 世の中には役に立たない物の方がはるかに多い。 …しかもそっちの方が美しく見えるのだから別にいいじゃないか」 ――飯嶋律 (6巻P118) |
こちらもおすすめ!
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「あしながおじさん達の行方」 (芳文社/花音コミックス 全2巻) 施設で育った少年、春日が自分の「あしながおじさん」を探し求める話です。込み入っていて一度では分かりにくいかも知れませんが、イイ味を出しています。でもそこはかとなくBLなのでご注意を。苦手な方でも大丈夫なレベルではありますが。 |