作品タイトル   作者名   出版社

「ベルサイユのばら」    池田理代子

 (集英社文庫 全5巻)
作品ジャンル(管理人の独断で決定)
 フランス歴史風大河ロマン
あらすじ
 フランス革命を舞台に、男装の麗人オスカルの数奇な運命を描いたものです。オスカルは、女ながら男として育てられ、近衛隊長として王妃のそばに付き従っていました。が、幼くしてフランス女王になってしまったマリー・アントワネットは、あまり女王としての自覚もないままに、ぜいたくを覚えてしまい、湯水のように国民の税金を使ってゆきます。どんどん市民は貧しくなっていきますが、王妃はそれが悪いことだという意識もなかったのでしょう。ぜいたくを止めることはありませんでした。やがてその不満は「革命」というかたちで表れます。自身も貴族であったオスカルですが、庶民とのふれあいから、このままではいけない、と気付きます。そして革命の先頭に立って、王族や貴族たちの敵として戦いに身を投じるのです。
おすすめポイント
 フランス革命、という実際に起こった事件を背景にしているために、とてもリアリティがあります。特にマリー・アントワネットは、フランスの王妃として断頭台の露と消えた有名人ですが、彼女の姿が実にいきいきと描かれています。だからこそ、架空の存在であるオスカルさえも、実在の人物であるかのように思わせるのです。
 もちろん、オスカルという人物そのものも、とても魅力的です。ずっと男として育てられ、自分が女である、と意識したことのなかったオスカルですが、彼女も恋をすることで変わってゆきます。りりしい「男」として、勇ましくも美しく戦う姿だけではなく、恋をする一人の女性としての面も見せます。やがて、オスカルは自分のそばにずっと影のように従ってきたアンドレの存在に気付くのでした。
心に残ったこの一言
  「オスカル、おれはいつか…お前のために命を捨てよう」
      ――アンドレ・グランディエ (2巻P18)
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