作品タイトル   作者名   出版社

「X ―ペケ―」   新井理恵

  (小学館/別コミフラワーコミックス 全7巻)  
作品ジャンル(管理人の独断で決定)
 不条理4コママンガ+毒入り(致死量寸前)
あらすじ

 これは4コママンガなので、ほとんどストーリーというほどのものはないのですが、かなり個性的な人物が山ほど出てきます。まずは多分主役の山本晃司、髪は金髪で一見「不良」でも実は心優しい青年。だが、その優しさがいつも裏目に出てしまうのでした。それから日本一不幸な青年俊夫(彼の苗字はなんだろう…)と彼をいいように振り回す最強の恋人(だよね)の白鳥瞳。それにウサギにしか見えないが、多分人間の因幡浩。幸せを運んでくれる(らしい)魔法使いだか妖精だかなんだかの謎の生き物ルイルイ
 もちろんこれだけではなくて、もっともっとたくさんの面白い&アヤシイ人たちが出てきます。私は変態保険医がお気に入り。

おすすめポイント
 このマンガを普通の4コママンガだと思って読むと、とんでもないことになるでしょう。4コマ漫画にありがちの3頭身キャラクターが明るく楽しい毎日を送る、というマンガを望んでいる人には決しておすすめできません。はっきり言って作者は世間にケンカを売っている、としか思えないほど挑戦的ですし、ここまで書いていいのかな、という部分もかなりあります。でもそれが「よくぞ言ってくれました!」ということだから、爽快なんです。オチもブラックだし、ついて行けない人は全くダメな世界だと思いますが、好きな人はクセになってしまう世界でもあります。
  興味が湧いたら、コミックスの裏表紙を見てもらえれば、何となく雰囲気が分かりますよ。それが笑えた人は買い、ですね。みんな4コマとは思えないシリアス顔で、ちゃんとした8頭身だし、絵は丁寧できれいです。だからこそ、内容とのギャップが…。マンガのタイトルの横のミニコメントからして笑わせてくれます。わっはっは、じゃなくてにやり、だけどね。
心に残ったこの一言
 「ギャグって笑う人と傷つく人の数が半々だと思ってる。いつも」
             ――新井理恵 (2巻P148)
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