読書日記(番外)

幻想水滸伝3のプレイレポートです。
思いっきりネタバレですので、ご注意を。

 ◆幻想水滸伝3レビュー


第一印象
  イメージ違うなぁ…
 ハードがPS2になったということで、3Dポリゴンにしたのかもしれませんが、どうも今までの幻水シリーズのイメージとは違うな、という印象を受けました。しかもビジュアル的にはそれほどの出来でもないしね。バックの風景にしろ、建物にしろ、今はもっと細密できれいな作品がたくさんあります。無理にポリゴンにする必要はなかったのではないでしょうか。キャラクターのイラストとも違和感がありますし。
 それから、3Dマップも動きづらかったです。どんなソフトでも最初は戸惑っても、2,3時間もすれば操作に慣れるのですが、これはずっと慣れませんでした。視点の移動がない上に、マップと実際の場所とのずれもかなりありましたし。立体的に細かい所まで作ってある割には、奥に入り込んでもアイテムが落ちている訳でもなく、人がいる訳でもない、となると、面倒になって結局行かなくなりました。意味ないね。


ストーリー
  主人公は誰ですか?
 今回は、主要キャラクターが3人いて、それぞれを交代でプレイするのですが、そのために、誰がメインだか分かりにくくなっています。それでも3倍楽しめるのならばいいのですが、1/3になってしまったとしか思えず…。そして、最初に名前を入力する『主人公と思っていた人』は結局最後までほとんど登場しないのです。今までの幻水は『主人公=自分』だったのに、その一番の魅力的な部分が失われてしまったような気がしました。

  まさかあの人が
 一応名前は伏せますが、今回のラスボスは今まで『仲間』だった人です。そのために「どうして?」という疑問ばかりが先に立ってしまい、最後に倒しても達成感がありませんでした。確かに今までの幻水も『戦いたくない相手と戦う』ストーリーでしたし、それも魅力のひとつでしたが、ちょっと違うんですよね、今回は。『私』はあまり倒したくないな、と思っていても、ゲームの中のキャラクターたちは「倒せ、倒せ」という訳で。やはりこの点においても、のめり込めない原因でした。


システム
  トリニティサイト
 3人(あるいはそれ以上)のキャラクターをそれぞれプレイできるのは悪くないと思います(ありがちですが)。視点が変われば「敵」も「味方」になり、どちらが正義ともいえない、というのはこれまでの幻水のメインテーマとも結びつくでしょう。ですが、結局、主人公を変えても同じストーリーをなぞっているだけ、という気がしました。別の主人公のストーリーのネタばれになる場合も少なくないですし。もうちょっとそれぞれの主人公の内面や背景を描いてくれれば面白いものになったでしょうに。それにコロク編って何ですか。明らかにオマケとしか思えませんが…。
  バディシステム
 はっきり言って失敗ではないかと。このシステムを採用したことによってのメリットが全く感じられませんでした。むしろ不便なことが多かったです。長い詠唱をしている人の相方は操作できないし、アイテムもバディ内でしか使えないし。唯一面白かったのは「ライドオン」でしょうか。でもこれも「バディ」である必要はないしね。
  スキル
 紋章が少なくなった分、スキルを上げて能力を高める必要があるのですが、それ自体のシステムは良かったと思います。それぞれのキャラクターによって、得手不得手があるのも、個性が出ますしね。ただ「武術」と「学術」の指南所が別れている必要はあったのかな。あちこち行かないといけなくて面倒でした。
  協力攻撃
 今回は戦闘シーンが変化したために、つまらないものになってしまいました。「いつの間にか何かやってるよ」という感じ。個性的な協力攻撃も少なかったですしね。これに限らず、戦闘が面倒で苦しくてストレスがたまるなんて、幻水では初めてです。敵の攻撃もやたらと長いのよね…(紋章とか、呪文とか)。


キャラクター

  ヒューゴ

  たぶん主役。
 ストーリー的に、多分この子が主役なんだろうな、とは思います。1章のラストなんかを見てもね。とはいえ、途中の分岐によっては『なんでもない人』になってしまう可能性もあり。…いいのか、それで(苦笑)。

  クリス

  気の毒な女性。
 結局、彼女は振り回されてばかりだったような気がしました。というよりも、流されてばかりってことかな。賛否両論あるかと思いますが、私は彼女にはごく普通の女性として生きて欲しいな。

  ゲド

  謎だらけの人。
 はっきり言いましょう。こういう人を主役にしてはいけません(苦笑)。彼は主人公の脇を固めて、ストーリーを深くする役目です。そして難しいことを言って主人公を悩ませるのですね(笑)。でも好き。すごく好きです(爆)。

  トーマス

  影の主役かも。
 実は天魁星(歴代主人公の星)だったりするトーマスくん。本拠地も彼の城だし、こちらが主役なのではないでしょうか(笑)。一番感情移入できて、可愛くて、頑張れーって応援したくなったのも彼でした。でもストーリーはサブイベント的…。

  ○○○

  ラスボスなんだよ…。
 一応名前は伏せますが、何故この人がラスボスなのか。君はいったい何のために、何をやりたかったんだい?と尋ねたくなるようなストーリーでした。この人を主役にした番外編もありますが、それをやっても分からなかったよ(苦笑)。

  その他の人々

  残念ながら。
 あまり印象に残っていません。仲間になるのもほとんどが強制的だし、メインストーリー以外のイベントも全然ないしねー。前作のキャラクターが少ししか出なかったのも残念でした。せめて話にでもチラッと出してくれればなぁ。



ミニゲーム・イベント

 仲間集め

  これがメインのはずなのに…。 
 幻水の魅力のひとつが、この108人を集める楽しさがありますよね。でも今回は自動的(強制的)に仲間になってしまう人がほとんどで、自分で探し出したのはせいぜい20人くらいではないかと。そのためイベントも少ないし、楽しみが半減しちゃいました。「探偵」もヒマそうだったよ。

 交易

  同じです。 
 
これはほとんど前作と変わらず。上手くすれば儲かるし、やらなくても問題なし。「古文書」や「光る玉」を安く仕入れて、高く売る。以前もやったよね(苦笑)。

 宝くじ

  当たれば嬉しい。 
 
当選発表を見る前にセーブしておいて、外れたらロードを繰り返していれば、いつかは当たります(笑)。後半は必要ないけど、序盤はお金が要るので助かるね。特別面白いこともなかったけど。

 お風呂

  台詞だけ…。 
 
どうして今回はキャラクターが出なかったのかな。首から上だけでもいいから、ちゃんとお風呂に入っている姿を出して欲しかったです。誰もいないお風呂に台詞だけが流れているのは、かなり違和感がありました。せっかくのイベントの楽しさも半減だね。

 レストラン

  利用せず。 
 
料理対決がある訳でもなく、レストランの場所も外れにあったので、ほとんど利用することはありませんでした。シェフのキャラクターもパッとしなければ、出来るアイテムもイマイチ。しかも今回はバディシステムがあるから、あまりアイテム使わなかったしね…。

 壁新聞

  無いよりは。 
 
ふと見ると、どんどん進んでしまう連載小説。しかも内容はいつどこから読んでも変わりないという…。どうやらエースが書いているらしいですが、何となく笑えました(笑)。それ以外はまぁ、それなりに。

 目安箱

  こんなもんね。 
 
今回は目安箱を見られるようになるのが遅いし、キャラクターが変わると見られなくなるし、そのために、あまり手紙を見なかったな、という印象でした。普通にプレイしていたら、皆のあいさつ文くらいしか来ないです。でも目安箱を見るためだけに、ずるずるとやってられないって(苦笑)。

 本拠地

  やたら広すぎ。 
 
今回は本拠地レベルがなかったので、最初からやたらと広い敷地に人が点々と…。キャラクターを探すのが大変でしたよ。ゲドを見つけたときは嬉しかった(笑)。絵や置物を飾ったりは出来ますが、大して代わり映えはしないしねー。自分の城って感じはしませんでした。

 劇場

  一見の価値あり。
 
はっきり言って今回の幻水3で、一番面白かったのがコレです。本編よりもね(笑)。キャラクターによって台詞が変わるし、組み合わせでもまた別の楽しみ方が出来るし。意外な人を意外な役に当てはめるのもまた楽し。特にゲドは最高でした。…でもこんなところにここまで凝るんだったらストーリーを…(苦笑)。



エンディングを迎えて
 ストーリーの核心のネタバレについては伏せ字にしました。反転して読んでね。
  全体的なこと―。
 今回はメインストーリーがそれほど長くありません。主人公が3人いるので、プレイ時間は長いですが、基本は同じストーリーをなぞっているだけだし。その分だけ、物足りなさがあり、ストーリーの奥行きも感じられませんでした。
 それに、幻水シリーズの魅力として、『主人公=自分』という大前提があったのに、それも今回はなくなっているしね。名前を入力したキャラクターがほとんど登場しないっていうのは、サギでしょ。主人公がたくさんいるので、誰に感情移入していいかも、よく分かりませんでした。

  エンディング。
 分岐、なかったのかな…。今までは、108星を集めるのと集めないの。あるいはそれ以外でも分岐がありましたが、今回は特になかったような気がします(あったらスミマセン)。大きい分岐と言えば、途中で紋章の継承者を選ぶところでしょうが、あれもメインストーリーやエンディングには影響がないですしね。そもそも、私はラスボスを倒したくなかったので、倒した後も達成感はありませんでした。戦いたくなかったよー。そういう分岐はないのかな(苦笑)。

   …そして
  いろいろ書いてきましたが。
 シリーズをずっとプレイしてきましたが、「3」は期待していたほどではなかったなという気がしました。それは今までのシリーズで魅力的に感じていた部分が失われてしまったからでしょう。もちろん新しい試みや、変わっているところはたくさんあるのですが、私はそちらの方には魅力を感じなかった、ということです。
 だから、これまでシリーズを一度もやったことのない人にとっては、面白いものになっているのかもしれません(自信を持っていえる訳ではないのが悲しい…)。もしも「3」から始めた方は、ぜひ「1」「2」もやってみてくださいね。




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