全体的なこと―。
私は「剣風帖」というゲームにとても思い入れがあり、それぞれのキャラクターたちにも並々ならぬ愛着があります。だから「外法帖」で全く同じキャラクターのストーリーにする必要はないと思っています。それなら「剣風帖」をやればいいだけのことですから。そういう意味では「外法帖」はこれで正解だったのでしょう。ま、普通の人にとってはね。
では、前作の「剣風帖」で人生が変わるくらいの衝撃を受け、このゲームがなかったら、今の私はありえない、別サイトはもちろんこのサイトだって存在しなかっただろう、というくらいに影響を受けた私(をはじめとするごく一部の人々)にとっても、満足のいく出来だったか、というと決してそうではないと思います。
なぜならば、この「魔人」というゲームはなによりも「主人公」を想像して創造していくゲームだからです。プレイした全ての人の数だけ「主人公」が存在し、それは多分自分自身でもあって、だからこそストーリーにのめり込めるし、感情移入も出来るんです。が、今回は主人公の存在意義が全く無いのと、「黄龍の器」であると明言されなかったために、彼の戦う意味すら分からず、仲間たちがどうして集まるのかも分かりませんでした。ストーリーの根幹となる部分(だと私は思っている)が失われてしまったんですね。ですから、結論としては「剣風帖」ほどにはハマれなかった、との一言に尽きます。
いろいろ書いてきましたが。
ストーリーは素晴らしかったと思います。前作の期待を裏切らない出来でした。プレイしていても面白かったし、繰り返し遊べるゲームになっていると思います(最低2回はやって欲しい)。幕末が舞台であり、歴史の中に埋もれてしまった若者たちの見えない戦いを垣間見ることもできるので、歴史好き、幕末好きの方にはオススメ出来るものになっていると思います。「剣風帖」の前に、こちらから始めても面白いと思いますよ。むしろ「剣風帖」を知らない方が純粋に楽しめるのかも知れないです…。
それから、気になるのは次回作ですね。三部作だとは知っているので、次があることは間違いないでしょうし、すでに構想も出来ているんでしょうから、今度はちゃんと「主人公」が主人公らしい物語を作って欲しいと思う私なのでした。でも舞台が第二次世界大戦辺りの話らしいのが気になるところ。どういう描き方をするにしろ、戦争ってのはどうかなぁ…。
あ、ついでに別サイトに外法帖プレイ日記がありますので、興味のある方はそちらもどうぞ。思いっきりネタバレの嵐ですが(苦笑)。
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